小学生の頃から死ぬことばかりを考えていた。そうしてそのことはひたすらに隠しとおしてきた。
 人類は滅ぶと思っていた。伊丹の空港にジェット機がアプローチするたび、どこぞの核攻撃じゃないかとびくびくと空を見上げた。
 心が腐ってゆくのを感じた。学生時代はめちゃくちゃだった。中高と健全ぶって生きてきた付けが最後に回ってきたのか、きちがいみたいな生活の荒れ様だった。
 それでいま落ち着いたのかというと、まったくそんなことはない。
 なんか機会があったら死にたい。明日台湾沖に遊弋する米国機動艦隊に対する特別攻撃隊が編成されるなら、俺は一番に志願するだろう。そうして見事に散って見せます。勿論国の為でもなきゃ誰かの為でもない、存在の無意味性を告発しつつ死んでいくわけです。
 死。死。死。
 きもちわるい。