2006-12-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の思い出

冬の間、集落は雪に閉ざされ町へ行くバスは無くなってしまう。分校もない僕らの集落からふもとに通っているのは僕と雪城さんの二人だけ。僕たちは町の学校の宿泊所で寄宿舎生活をすることになった。 雪城さんは中学の3年になってから転校してきた。最も勉強…

名雪にもっとやさしくしてあげて(その2)

「秋子さんどうしたんですかこの痣は」 漏れはなんとなくためらいがちに尋ねた 秋子さんはあわてて首筋を隠したよ そしてそっけなく言うんだ 「まあ、どうしたんでしょう」 その表情からは何も読み取れない けれど一瞬だけ慌てたのは間違いない 「きっとどこ…

 名雪にもっとやさしくしてあげて(その1)

赤い雪。 赤く染まった世界。 誰かの泣き声。流れる涙を拭いたかった。だけど、手は動かなくて…。 頬を伝う涙は雪に吸い込まれて…。 見ていることしかできなくて…。 悔しくて…。悲しくて…。 大丈夫だから…。 だから、泣かないで…。 飛行機が無茶苦茶揺れた …

アレクセイと泉

12月20日。今日はトランスバール皇国航空宇宙軍の給料の締め日だ。この日をもってミルフィーユさんは軍を退役した。退役時の階級は中尉。半年前の作戦の功績が認められて昇進したものだ。それと勲章を二つ、またトランスバール皇国皇帝より爵位を授かった。 …

名雪にもっとやさしくしてあげて

「あの…本当に、名雪…さんは、いないの?」 ビビリまくっている月宮あゆ。さすがに包丁持って追い掛け回された恐怖は拭いきれないようだ。 「大丈夫だって(´Д`)今日秋子さんと病院に行ったから」 この間退院したのだが、あっという間に名雪は病院に連れ戻さ…

名雪にもっとやさしくしてあげて

名雪が退院することになった(;´Д`) 恐怖におののきながら保養院へ迎えに行く 「ゆういち〜〜〜あいたかったよ〜」 このボケボケな感じが果たして地なのかクスリのせいなのかどうも釈然としない 雪を踏みしめつつボチボチ近況をしゃべりながら駅へ うみゅーう…

栞はいい子

今日は休みだったので美坂栞を家に招くことにしたよ 銀行が開くと同時にお金を500円硬貨に両替。今後のことも考えて棒金でずっしりと重くなったディパックをかかえて、雪道をスーパーカブスタッドレス仕様で帰宅 漏れが水瀬家に帰るのと栞がこっちにやっ…

大宇宙雪城帝国

雪城歴103年12月7日の日記 「すべての男性はすべて男性器を破壊されるために存在する。すべての男性は虚勢不安におののきながら生活すべし」 宇宙雪城刑務所に収監された受刑者たちは朝の唱和を終えると労働と教育にいそしむことになる。 はくちょう座…