ともよちゃんに筋力トレーニングは毎日すべきではないと教わった。なんでも、筋肉には回復期間が必要で、ある程度休めないと成長しないんだそうだ。
 ともよちゃんは黙って僕のためにいろいろ調べてくれていた。食事にも気を使ってくれているけれど、僕用の食事だとともよちゃんが食べるのが大変なので別のメニューにしている。ともよちゃんには負担をかけたくないのだけれど。でも、ゆどうふだけは一緒に食べた。
 ゆどうふのちいさなお鍋を重たそうに持って、ふらふらキッチンから出てくるともよちゃん。てつだおうとした僕は慌てて駆け寄る。
 なべをちゃぶ台に下ろした後ふっと息をついて。すっかりともよちゃんも所帯じみてしまったなあ、と言うとともよちゃんはほんとうですわね、と笑った。
 その顔には一切翳りがなくて。とても幸せそうだった。