会社から帰ると、ファミリー劇場でやっている宇宙刑事ギャバンを録画したのを見てから、早々に眠ることにした。ともよちゃんには悪いんだけれど、どうしようもない。少々ともよちゃんにおたくとか思われても仕方がない。なんだか疲れがとれない。あと3日位の辛抱だと思って、ともよちゃんにもそう伝える。ともよちゃんはいつもどうりにしてくれるので、本当に助かる。今の僕には全くともよちゃんをいたわるゆとりはない。
 「よく、うつ病はは心の風邪だなんてもうしますけれども」
 「僕は病気じゃないつもりなんだけれど」
 「ええ、ええ。存じ上げていますわ。病気の人は会社には行けませんもの」
 「うん。さぼりたいだけなんだ」
 「はい、はい。さあ、お布団を敷いて差し上げますわ
 ともよちゃんはそういって寝床を準備してくれた。なにも言わなくてもそのまま出ていってくれる。一人にしてくれた。
 寝床にはいると、ともよちゃんがテレビを消して勉強を始めたのか、居間の方からかつかつとシャープペンシルのようななにかでものを書くような音が聞こえてきた。最近の僕は比較的寝付きはいいのだけれども、朝はなんだかはやく目が覚めてしまい、熟睡できないのが難点だ。ともあれ僕は眠ることにした。