日記2

今日はぼんやりお酒を飲んで過ごした。
知世ちゃんは学校に行ったあと、リビングでぼんやりしている俺に声をかけてくれた。
「まあ、おつかれですの?」
「ううん、ちょっとお酒飲んで、ぼんやりしてただけだよ」
「まあ。うふふ、ちょっとお待ちになってくださいね」

知世ちゃんは荷物を自分の部屋に置くと、台所に取って返してアキャブ産の紅茶を淹れた。

上品に彼女はお茶を口に運んだ。
「ウィスキーでも垂らすかい?」
「まあ」
「冗談だよ。君は酒飲みになっては、いけない」

 僕はそういうとちびちびやっていたグラスを飲み干した。
 すこしむせた。

「あらあら。まあ」

 背中をなでてくれる知世ちゃん。
  

 回りを見回すと、貧相な家具。貧しい部屋。

 僕は知世ちゃんの手を取った。不意のことだったので、彼女はちょっと戸惑ったが、すぐに握り返してくれた。