日記3

この星に越してきて本当に良かったと思う。
気候はやや暖かすぎるが、きちんと四季がある。主要産業は農業と観光だと聞くが、人々の生活はつつましく、おおらかだ。
週に2回の宇宙港への定期便を除くと、シャットダウン(宇宙とのかかわりを持たない未熟な惑星)となんらかわりない。

この星は私の故郷、奥飛騨の集落にも似ていたし、もうひとつの自分のふるさととも言える場所…
ラバウルにも似ていた。



深夜、仕事を終えて帰宅。知世ちゃんはちゃんと自分の部屋で寝たらしい。
”あまり、お酒を飲み過ぎないようにしてくださいませ”

リビングには書置きと、春雨と野菜を炒めたもの、グラスやらが置いてあった。


お嬢様の癖に、気がつくんだから−−。
なんだか寂しいような嬉しいような妙な気分になり、彼女が最近覚えだした料理をいただいた。アルコールは控えめに。炒め物は、味が薄かったが旨かった。