HAGIさんへ

 私はこれまであなたのおっしゃることにとても心を引かれ、あなたの言うことであればすべてが真実なのだろう、そうしてそのすべてがわたくしに対する思いやりに満ちており、私を導いてくれるものだと思っていました.だから、この「無人惑星サヴァイヴ」についてこうしておうらみごとを書き綴るのは、あなたへの私の忠誠、愛情がいかに深かったか、知っていただきたいからです.
 あなたの掲示板への書き込みを見て私はすぐさまレンタルビデオやへと足を運びました.
 以前は「〜っていうアニメ、どこお?」などと店員に聞けたのですが、さすがに会社帰りでスーツを着込んでいてはそれもままなりません.ずいぶんと探して、うちは田舎だからDVDとか出てないのかなあ、などとあきらめ、アダルトコーナーへ入っていこうとしたそのときです.一本のテープが視界の中に入ってきたのです.
「これが、サヴァイヴか」
 なぜNHK放送のTVアニメがアダルトコーナーに入っていたのか、今となっては確かめるすべもありません.いや、これは要するに何かの手違いなんだ、店の勘違いだ.そう自分を納得させ、そのアニメビデオを借りました.なんだか借りるときちょっとかわいい高校生くらいの女の子の店員(ポニーテイルが似合い、いつもスカートをはいている)が妙に覚めた目で私を見るのです.まるで汚らしいものでもの見るかのように.僕は思わず腹を立ててしまいましたが、よくよく考えてみれば高校生程度のガキに伝統のNHKアニメのよさがわかるはずもないのです。
 今夜その女の顔でオナニーしてやる為必死でその女のかおを覚えてから、手続きを終えて家に帰りました.
 家に帰って全裸になった私は早速ビデオを回しました.そして、そこで始まった物語は.
 主人公が架空世界で”オオサカ”を統一する為に殴る、けるの暴行.こんなはげしいシーンがNHKで許されるのか。思うまもなく主人公(まゆげが太いヤクザ)がそこらじゅうの女を引っ掛け、犯しては私娼屈に入れていき、その利益で組のシノギにしているのです.
 まったくもって品性、メッセージ性もなくただひたすら暴力とセックスの描写が続くのです.あのおんながメノリ様なんでしょうか、奉仕青年団とか言う女の団体の団長が青い髪をしていたんで多分そうなんでしょう.しかし開始早々ろくな抵抗もせず犯されまくっているのには、なんと言うかエロチシズムのかけらも感じられずあきれ返るばかりで.
 めちゃくちゃな作画、わいせつな内容、動かない動画.一体、これのどこが伝統あるNHKのアニメなんだと、悲しい気持ちで一杯になり、そうして僕とHAGIさんとの間にはとても深い溝があるのだと感じてそのことに涙しました.僕はHAGIさんとは、心の奥深いところでつながっている同士のように思っていたのです.兄のように慕っていたのですそれなのに.
 こんなことなら、ビデオなんて借りるんじゃ、なかった.
 ひとつだけ教えてください.「原作:アリスソフト」となっていたんですけど、 アリスソフトとは何なのでしょう?私にはもうわからないことだらけです…。