今日はとても暖かくて、驚いたよ。病院のなかではよくわからないのかな。でもなんだか春めいた感じで、外へ出て買い物にいったりした。一人で買い物に行くのはやっぱり寂しいよ。自分が食べるものを自分が食べるだけ買い物するなんて。今日はいつものようにトレーニングに出かけた後、病院によって単車の手入れをしていた。とっても寒い日に海を見に行ったね。覚えてる?あの小さな単車を(ともよちゃんは最初大きなバイクだと言ったけれども)ぴかぴかに磨き上げて、オイルやらタイヤやらを替えてみた。手が真っ黒になってしまったよ。
 手元にある写真を一枚一枚めくってみると、なんだかもう懐かしい感じがしてしまって。そんなに昔の話じゃないのに、ヘンな感じだなあ。ああそうだ、膝の痛みはずいぶん楽になったよ。心配かけてごめんなさい。もう大丈夫です。
 
 あんまりえらそうなことをいえるほど僕は人間ができているわけではないのだけれど、本当に生きていると思いどおりになることなんてなかなかないよね。でも、ともよちゃんが自分と戦いながら生きていること自体にとても大きな価値があると思うし、すごく輝いた生き方だと思う。すごく頑張っていると思うよ。ともよちゃんは自分で思っているほど弱くない。ほんの少ししかいっしょに暮らしていないけれども、それだけは僕にもよくわかる。
 だから。ともよちゃんが頑張る、というのなら、僕はただ応援する。できる限りの手助けをする。それは他でもない、僕のためでもあるんだ。
 
 
 
 佐々木さんの話だけれども、すこし、驚いてしまったよ。まさか小学校の教師が…。いや、人には色々な事情があるのだと思うのだけれどちょっと考えられないね。それに佐々木さんの病状もなんだか手紙で見ているだけでも痛々しくて。ただ、安易に批判することはすべきではないのかな。僕だってともよちゃんにずいぶんと甘えてしまっているし。
 佐々木さんがともよちゃんのことを知っていたかも知れないということも、ちょっと気になります。調べることは今のところ控えておこうと思うけれども、もしともよちゃんが自分の過去について向き合う決心がついたら、そのことは何処かで突き当たる問題なのかもしれないね。
 
 
 でもね、ともよちゃん。
 そのこともとてもたいせつだけれども、まずは自分のこころやからだを、いたわりなさい。治しなさい.そうして、元気になってください。外に出て、力いっぱい、からだを動かせるように。そのことを僕は一心に祈っています。どうか、どうか、一日もはやく元気になってください.