ゆきゆきてプリキュア(3)

 自分のような呪われた人間が社会に受け入れられるわけもなく、なんだか心温まる話を書こうとかほのぼのしたものを書こうとか、死ねよ俺。ふたりはプリキュア見てるのだって、なぎさをダンベルとか角材とか金属バットとか画板の角とかでぶん殴りまくって、「いたい、いたい」なんてはじめはなぎさも言うんだけど、もうそんなこと聞く耳持たずに顔の形が変わるくらい殴りまくってボコボコに晴れ上がったなぎさの顔の上にエロ本(ロリ系)を置いて犯しまくったり、雪城さんのおでこにピトンピトンちんぽを叩きつけたりぬるぬるした液体をなすりつけた挙句「おい二等兵火炎放射器を持て!」などと叫んで制服姿の雪城さんに灯油をぶっ掛けて火をつけ、
「ぎゃあああ」
 とか可憐な悲鳴を耳にしながらちくりと良心が痛みつつも、
「あのなあ、ヒロシマは…ピカはこんなもんじゃなかったんじゃ。あんときはのう」
 などと怪しげな広島弁で諭している間にも燃え尽きてゆく雪城さんの肉体、魂。人間は、燃えると炭になるのだ。真っ黒なマネキンみたいに手を前に出して動かない雪城さん。でもかすかに生きている。
「お願い、殺して…」
 そんな雪城さんを抱きしめたい。でも火傷にしみるので僕が抱きしめても雪城さんは痛がるばかりなんだ。
 ああ。
 いくら僕が抱きしめようと近づいても、雪城さんは僕を避けてしまう。僕はどんな姿になっても雪城さんのことを愛しているというのに。
 性欲、肉欲のくびきから解き放たれて、君の事を愛せるようになったのに、その証明をすると君は僕を拒絶して、そうして死んだ。