葵ちゃんは強い(その9)
ToHeart2に、まだ在学しているはずの葵ちゃんや琴音ちゃんがなぜ出てこないのか?
たとえ誰も漏れの話に耳を傾けないとしても 漏れの贖罪は終わらないんだよ(;´Д`)
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朝から3回もイカされた漏れは激しく元気が無かったよ 廊下で志保に話し掛けられたときにもつい不自然な反応をしてしまう 朝にあんなことがあったから当然と言えば当然なんだがそれにしてもすこし恥ずかしかった
「どうしたのヒロ、元気ないじゃん」
休み時間 コイツはわざわざ漏れのクラスにまでやってきた にやにやと笑う志保
「う、うるせーな、なんでもねえよ(;´Д`)」
コイツのテンションは高すぎて疲れる 特にこんな日は
「それよりも聞いてよヒロ(´ー`)」
「いつもの志保ちゃん情報ならお断りだ(゚Д゚) 間に合ってる」
「ふっふーん。何時までそういってられるかなあ」
「言ってろよ」
いつもの志保ちゃんニュースだ 何がニュースニュース大ニュースだふざけやがって
「でもねヒロ、これが姫川琴音の話だったら、どうする?」
ガターン!漏れは椅子を思いっきり引いて立ち上がった その椅子が背後の机にあたって派手な音を立てる クラス中の注目を集めてしまった
漏れはキョロキョロとあたりを見渡し つかみ掛からんばかりの勢いで志保に食って掛った
「なななななんだと(゚Д゚) 琴音様になにがあったって言うんだ」
漏れはつい朝に言わされつづけた台詞 「お願いします琴音様、その美しいおみ足で私の汚らしい里芋見たいな包茎チンポに罰を与えください、私こと藤田浩之もとい藤田粗チン之は琴音様のおみ足でしか射精できない 哀れな生き物ですお願いします琴音さまお願いします」という言葉の癖でつい琴音様と言ってしまった
だが志保はそのことに気がつかなかったのか触れもせずそうして漏れが急に起こした狂乱に戸惑うばかりだった
「あーあーあー、ちょっとまってヒロ、と、とにかくどっか他行こう、屋上行こう!」
志保が慌てる様子を見て漏れは我に返った
「すまん志保取り乱した(;´Д`)とにかく話聞かせてくれ」
そうして漏れたちは屋上へあがった よく考えたらこの間も琴音ちゃんと一緒にこうして屋上に上がってきたんだ
薄暗い屋上への階段を上がる志保は帰宅部の癖にいい脚をしている
普段は絶対口にしないがこいつはスタイルも良いし顔もかわいいほうに入るだろう
そんな志保の活気あふれる階段を上るステップに漏れは 漏れは…
後ろを歩きながら勃起し始めた(*´Д`) 漏れは完全に変態にされてしまったんだろうか
この間もまさか琴音ちゃんに土下座をさせられるなんて思っても見なかった もしかして今回も
そう思う漏れの心を支配していたのは恐怖ではなくして 期待だった
屋上は秋の風が心地よくすこし寒いくらいだ
授業の始まる鐘の音が聞こえる 漏れたちはフェンスによっかかって話し出した
「あの姫川琴音ってコ、どうもやばい見たいよ」
志保の声は 周りに人がいないにも関わらず低く小さかった
「やばいって、どういうことだ」
漏れはつばを飲み込んだ もしかして琴音ちゃんが変態性欲者であるとか…
だが志保の言うことはもっと意表をついていた
「あのコ、姫川って子、どうも薬をやっているみたいなのよ」
「へえ?」
漏れは思わずまぬけな声を出した
「薬って?」
「早いのとか、LSDもあるけどあとよく判らないものも。なんだろう」志保は手帳を開いた
「競走馬用の…テストステロン…?まあ全て個人輸入らしいんだけど、とにかく海外から相当な量と金額の薬を輸入しているみたいよ」
「いいかげんなこというなよな、いくらお前でもでたらめすぎるぞ」
俺はちょっとむっとした 琴音ちゃんが薬だなんてそれもいわゆるドラッグに手を出していたなんてありえない…いやでも
漏れの心に疑念が沸いた それはまだ言葉にはできなかったけど凶悪なまでの悪い予感となって漏れの心を震え上がらせた
「いいかげんじゃないのよ」
そのときの志保は俺に合わせて激昂しなかった いつものように教室でならここで喧嘩の一つも始まるところなのだが どうも志保は本気で俺の身を案じてくれているらしい
「一年のクラスのコが姫川ってコが携帯から海外に注文しているのとか見てたそうよ。あと実際に薬の入ったビンがかばんの中に入ってたこと。薬局に出入りしていること、姫川家へのFEDEXの業者の出入りの量が異常に増えていること…」
志保の情報は尽きることが無いかのようだった
「ヒロ…アンタ、あのエクストリーム同好会ってのは」
志保の表情は何時に無く暗い
「まさか、でも、そんな薬なんて使ってるふうじゃ」
そうだ 琴音ちゃんも葵ちゃんも麻薬をやっているようには見えない 確かに興奮はしていたが 麻薬を使ってトレーニングなどするものだろうか 勿論らりぱっぱが戯れにそこらを走ったりすることもあるだろうが葵ちゃんのは肉体の鍛錬である
「あー…」
漏れは合点がいったよ
「あれだ、サプリメントだ」
「はあ?」
志保がずっこける
「サプリメント?あの、健康にどうこうっていう」
「ああいやそれもそうなんだけどそうじゃなくて。エクストリーム同好会では競技力の向上のためサプリメントを投与したりするんだ。
サプリメントと言ってもアミノ酸とかプロテインとかクレアチンとか、そうした自然由来のもので練習後の体力の回復を促進するだけのものさ。だからそれと勘違いしたんじゃないかなあ」
志保はそれを聞くとむっつり黙ってしまった
「そう…そうなんだ」
志保は視線を学校の中庭に向けた 中庭ではなにか体育の授業の柔軟体操が行われているようだった
志保が紙片を風にかざす
「テストステロン、ダイアナボル、デカ、プリモ、HGC・・・いったいなんなのかしら。「馬用」って書いてあるのもあるんだけど・・・」
その声は漏れにははっきりとは聞こえなかった ただ志保がまだ納得していないことだけは確かでちょっと困った
「まあとにかく、覚せい剤とかやっているようならすぐにわかるだろ?一応気をつけてみておくよ」
「あ、うん。気をつけなよヒロ。私未だ腑に落ちないのよね」
「しんぱいすんな(´ー`)ノ絶対琴音ちゃんは潔白だ」
そうは言ったものの漏れには淡い不安感が取り付いてはなれない
あの異常なまでの性行為に対する衝動 あれこそまさに異常でありまさか薬物の副作用ではないかと疑うに足るよ
もし麻薬なんてやっていることがばれたら 良くて退学下手したら刑務所だ
とにかくちゃんと琴音ちゃんと葵ちゃんを見守らないと 何かあったら大変だ
このときばかりは志保に感謝したよ それに志保の様子から見てこれはかなりマジらしい
普段なら教室に飛び込んでニュースニュース大ニュースよなどと騒ぎ立てるのだがそういうこともしなかった
どうやら漏れに気を使ったのと 事実ならだいぶやばいらしいと言うことを判っていたようだ
一見がさつに見えてそういうところで気が気の利く奴だ 漏れは志保に感謝したよ(*´Д`)