葵ちゃんは強い(その10)
「今の、長岡先輩ですよね。何話していたんですか」
志保が出て行ってすぐだ 琴音ちゃんが屋上にやって来た 志保は途中からでも授業に出るといって戻ってしまった ああ見えて根は真面目なところがあるんだ
「えっ…あのう(;´Д`) 」
漏れは固まってしまったよ
なにしろついさっきまで漏れは琴音ちゃんにチンコを足で踏みつけられてﾊｧﾊｧ言ってたのだしそんな漏れを琴音ちゃんは冷然と見下ろしていてそのまなざしに漏れはもっとﾊｧﾊｧしていたのだから
それにこのタイミングだ 授業中だというのに琴音ちゃんは屋上にやって来た
よく見ると琴音ちゃんは学校指定の体操服姿で 肩で息をしている 上気した頬は朝のあの冷たい琴音ちゃんとはまた違った印象だったよ
「琴音ちゃん、あの、授業とか…体育？その…いいの(;´Д`) ？」
「そんなのどうでも良いです。中庭で授業前の準備体操をしていたら先輩たちが話しているのが見えて…」
「そうなんだ…(;´Д`) 」
体操服を着た琴音ちゃんはなんだか儚げで 漏れは朝とは違った意味でドキドキしてしまったよ
葵ちゃんのブルマはまるで鎧で完全に彼女の脆弱な部分を覆っていた 全く葵ちゃんの弱い部分とはまさしく陰部そのものそれだけであって鍛え上げられ研ぎ澄まされた大体四頭筋 内転筋 外側広筋 下腿二頭筋は凶器そのものだからブルマはまさに必要十分な葵ちゃんの防御だった
それに引き換え琴音ちゃんのそれはいかにも弱々しげでほっそりとした白い足は男の手首ほどしかないように感じられるほど細く感じられたし なにより琴音ちゃん自身の色素の薄さがその弱弱しさに拍車をかけていた
(漏れはあの真っ白で綺麗な足に踏みつけられ、３回もあの足に射精したんだ)
漏れの心は罪悪感で満たされてしまったよ
漏れの罪悪感 それはさておいて
「あのう」
か細い声で漏れに聞いてくる琴音ちゃん
一体どうしたって言うんだ 朝はあんなに漏れのことを罵って漏れを踏みにじりまくったのに(*´Д`)
「琴音ちゃんどうしたの(；´Д`)言いたいことがあるんならはっきり言ってよ」
努めてやさしく言ったつもりだったがその言い方はちょっと良くなかったかも知れにない
琴音ちゃんはますます小さくなって漏れに言ってきた
「あの、長岡先輩って」
「え？志保のこと？」
「…志保」
琴音ちゃんが俯く
「呼び捨てなんですね」
「え (；´Д`)」
琴音ちゃんは俯いていた顔をそのとききっと上げて聞いてきた
「長岡先輩と藤田先輩って、付き合っているんですか？」
「…………」
えええええええええええええええええええ？
「いや、付き合ってるって、その、志保と漏れが？」
こくり、と頷く琴音ちゃん
「う…」
漏れはそのとき我慢しようと思った、しかし止まらなかった
「うぎゃはははははは！漏れと志保が？漏れと志保が？うぎゃははあはは！んな、んなわけねーじゃんかよ！漏れが志保と…ぎゃははは！」
そのとき漏れは琴音ちゃんの視線がじっとりと漏れにまとわりついていたことに気がついていなかった
「ありえねー！ぜってーぜってーありえねー！志保だけはありえねー！志保なんかと付き合うくらいだったらメトロン星人と結婚するっての！誰だよそんなこといったのって琴音ちゃんかよ！ギャハハ！んなわけ…」
琴音ちゃんは静かに震えていた 漏れが気がついたときにはもう遅かった
「…あの、琴音ちゃん (；´Д`)」
「ふうん…藤田先輩は、どっちにしても、私のものにはならないんだ」
なにかおかしなことを言って琴音ちゃんはまた俯いた それで冷たい声で言う
「何がおかしいんですか、藤田先輩」
この声 まるで様子がちがう 心なしか琴音ちゃんが大きくなったように見える
「何笑っているんですか？藤田先輩、今朝いっぱい記念撮影しましたよね。最近は便利ですよね、プリンターに直結してカメラからすぐ焼き増しできるんですから」
にやにや笑う琴音ちゃんはまるで今朝と同じ顔をしていた
「えっと、あの、琴音ちゃん」
「……ちゃん？」
「…琴音様(*´Д`) 」
「ああ、良いですね。調子が出てきましたか」
漏れは結局また琴音ちゃんの下僕として振舞うことしかできなくなってしまったんだ
でも儚げな 庇護の対象としての琴音ちゃんと 支配者としての琴音ちゃん どっちが魅力的かというとそれが自分でもなんともいえないんだよ(*´Д`)
なんで志保と漏れのことを疑ったのかそのときの漏れには判らなかったけど とにかく琴音ちゃんを怒らせてしまったことは間違いなかった
しかしそのときは琴音ちゃんへの絶対忠誠と放課後のエクストリーム同好会への絶対参加を誓わされただけで済んだんだ
漏れとしては助かったという反面 物足りなさを感じてしまった
この辺のバランス感覚は琴音ちゃんの調教者としての才幹を感じるよ(;´Д`)
