葵ちゃんは強い(その12)

 琴音ちゃんは漏れをみるなり顔をしかめたよ(;´Д`)
「藤田先輩…いったいどうしたんですか、そのナリは」
 漏れは恍惚とした表情をしていた 葵ちゃんの胃液の持つ酸が漏れの心を溶かしてしまったようだった
「藤田先輩?」
 琴音ちゃんの声はすこし気遣わしげだ 無理も無い そのときの漏れは前身ゲロまみれでラックに向かう葵ちゃんを憧れと尊敬のまなざしで見つめていたのだ きっと少女のような表情だった似違いない
「藤田先輩?いったい何があったんです?」
 明らかに苛立った琴音ちゃんの声 漏れはそれで我に帰った とはいっても呆然とした表情のままだ なにしろ格闘美神葵ちゃんの荘厳で神聖な儀式「バーベルを用いたフル・スクワット」を眺め そしてその後葵ちゃんの胎内の液体を全身に受けるという栄誉に浴したのだ から
「あ…琴音ちゃん」
 夕日を浴びた琴音ちゃんはお嬢様然としたワンピースにカーディガンを羽織っていた そういえばすこし冷えてくる時間帯であったが トレーニングの熱に浮かされた葵ちゃんと 葵ちゃんの胃液をかけてもらって興奮している漏れには関係が無かった
 スクワットラックの前で話し掛けようとした葵ちゃんの声 しかしその声は琴音ちゃんには届いていないようだ
「いったい、どうしたんですか…藤田先輩?」
 またやさしい声だ 本当に琴音ちゃんは感情の起伏が激しいというか 始めてあったときはおとなしい子だと思ったのだが どうやらそうではなかったらしい
「えへへ」
 漏れは相変わらず朦朧としていたのでだらしなく笑ってしまった
「葵ちゃんにかけてもらったんだ」
「かける?何を?」

「胃液。ゲロ。昼の残りのカレーの未消化物。ああ、ああ!素晴らしいなあ!葵ちゃんだってゲロを吐くんだ!こんなに汚く汚してしまうことができるんだ!食べかけのものがどろどろと胃の中でわだかまっていて、 それが異臭を放っているのをあの小さな引き締まったお腹の中に溜め込んでいるんだ!ああ!葵ちゃんは素晴らしい!最高だ!」
 琴音ちゃんは漏れの演説を黙って聞いていた 覚めた視線だった
 そう覚めた視線 つめたいとか気持ち悪いとか そういう意味合いではなくて
 感情の動きとかそうしたものは存在しない ただただモノや現象を見ているだけ そんな視線だった
 そしてその瞳の色にはどこか自虐的で内罰的な虚無感が感じられたのは気のせいだろうか
 琴音ちゃんが言う
「先輩は、葵ちゃんのことが好きですか」
「好き…」
 漏れはその言葉の意味をよく吟味しようとしたが考えるまでも無かった
「好きだなんて、おこがましいけどそうだな、好きだな」
「そのために同好会に入った?」
「いや、初めはひたむきな葵ちゃんの姿を見て、放って置けなくなった。でも一緒に練習したり、時間を過ごすたび単に放って置けないというだけじゃなくて、なんというか」
 琴音ちゃんは漏れの言葉を聞きながら どんどん浮かない表情になっていった
 漏れはすこし焦ったのだがとにかく琴音ちゃんの機嫌を損ねまいと必死に自分の本心を説明した
「じゃ、じゃあ、私が葵ちゃんのお手伝いをするようになる前から、葵ちゃんのことを?」
 漏れはすこし考えた そうだあれは
「うん。たしかそうだったと思う。もうすっかりあのころには漏れは葵ちゃんに参ってしまってたんだ(*´Д`)」

 琴音ちゃんは漏れの言葉に大きく肩を落とした 酷くしょげてしまった それは漏れを慌てさせるのに十分だった
「それじゃ、むだだったんだ、間に合ってなかったんだ…」
「琴音ちゃん…?(;´Д`)」
「馬鹿みたいだな、私。もう取り返しがつかないくらいむちゃくちゃにしてしまったのにもう引き返せない…」
「何を言ってるの琴音ちゃん(;´Д`)ねえ、琴音ちゃん」


「…琴音…ちゃん?」

 琴音ちゃんは低く小さくうめくように言った またあの声だ 命令し漏れにお仕置きする声だ
 漏れはすぐに口を閉ざし言い直した
「あの、いえ…琴音様」
「宜しい」
 琴音ちゃんはすっかり毅然とし持参した紙袋に手を突っ込んで一通の封筒を手にした
「これ、朝の記念写真ですよ。家で現像してきたんですけど、見ますか?」
 その中には一体どうやってとったのか漏れと琴音ちゃんと葵ちゃんの痴態がありありと記録されていた
「…(;´Д`)」
「メモリーは家にありますからね。それにしても本当に藤田先輩って変態ですよね。女の子にオチンチンを踏まれたり、オマンコを顔に押し付けられて喜ぶなんて。おまけに今度は吐瀉物を体中に…」
 やばい 火照ってきた  それを琴音ちゃんが見咎めて言う
「この…変態!またおチンコ大きくして、硬くしてるんでしょう?本当に変態ですよね。普通いないですよおチンチン踏まれて喜ぶ人なんて、本当に本当に藤田先輩は…」
 そういうと琴音ちゃんは漏れの股間のあたりを軽く足で蹴った 蹴るといっても軽く触れる程度だ それでも
「…うっ(*´Д`)」
 漏れは情けない声を出してしまったよ
「変態…」
 さげすむように琴音ちゃんは漏れの前を離れると いまだスクワットラックの前にへたり込む青いちゃんのほうへ歩いていった
「葵ちゃん、お疲れ様」
「あ、琴音ちゃん」
 ワークアウトを完遂した満足感からか葵ちゃんはすっきりした表情だ
 漏れは確かに変態で この二人の性の玩具だが こうしたやり取りには癒される 女の友情を感じる
 タオルを手渡した琴音ちゃんは葵ちゃんに小声で告げた
「落ち着いたら、お薬の時間にしましょう」

「……」
 薬?薬だって?
 昼休みの志保の言葉が思いだされる
”あのコ、姫川って子、どうも薬をやっているみたいなのよ”
 まさか、まさか琴音ちゃん、あの話はまさか…
 漏れはさっきの琴音ちゃんの言葉攻めで甘起ちしていたチンコを気にしながら それでも勇気を振り絞った
「琴音ちゃん…」
 琴音ちゃんはじっとりと冷たい視線を漏れに投げかけるだけだ
「あの…琴音様」
「なんですか」
 やっと返事をしてくれたがそっけない
「あのですね、薬というのはいったい」
「そんなこと、藤田先輩には関係ないでしょう」
「いえその」
 琴音ちゃんはめんどくさそうに答える
「なんてことはない栄養剤ですよ。いつものんだりしているじゃないですか。さ」
 おざなりな返事の後琴音ちゃんは葵ちゃんを促がす
「とりあえずいつもどうり神社の中に入って」
 …なんで?
 なんで薬を飲むのに神社の中に入る必要がある?
 だが漏れはそれ以上聞けなかった。二人が小さな神社のお社に入るのを黙って眺めているだけだ琴音ちゃんが入る間際「絶対に中を覗かないように」と告げる
 しかし漏れはどうしても志保の昼間の言葉が気になって仕方が無かった
 普段ならこのまま外で待っているはずなのだがどうしてもそのことが気になったのだ
 そして漏れは禁を破った…

 中では、昨日と同じ光景が展開されていた すなわち下半身を露出した葵ちゃんの上に琴音ちゃんが馬乗りになっている それは性的で扇情的な光景に見えた
 だがやはり何かがおかしい 性的なことである割には動きも無く声も無い ただ静かにそうしているだけのようだ
 やがて暗がりに目が慣れてくると判った 琴音ちゃんはなにか注射器のようなものを持っていた  そしてアンプルの先端を取るとその中から溶液を吸い上げる 吸い終わると空気を抜いて針先を眺めた
(琴音ちゃん… (;´Д`))
 丹念に葵ちゃんの左の尻たぶを触る琴音ちゃん 
「300ccね」
「うん」
 短いやり取りとともに注射する位置を決めたのか琴音ちゃんはその針を葵ちゃんの白いお尻、その二つの丘の左の頂上付近につきたてた 
「っ…」
 葵ちゃんの顔が苦痛に歪む
「ごめんね、痛い?」
 琴音ちゃんの声はやさしげだった 葵ちゃんは健気に首を振る
「強くなるためだから…我慢する」
 頷くと琴音ちゃんはさらに溶液を葵ちゃんの体内へとさらに押し込んでいった

「… (;´Д`)」
 漏れは固唾を飲んで見守ったよ 
 琴音ちゃんと葵ちゃんが薬物を常用しているなんて思いもよらなかったしこの目で見てもとても信じられない
 でも実際に琴音ちゃんは葵ちゃんに注射をしているんだ
 (まさか薬なんて、しかも注射ということは…いわゆる覚醒剤?それも錠剤の奴とかじゃなくて本気の奴)
 しかしそれなら葵ちゃんの最近の異常な態度や攻撃性も合点が行く だってテレビとかでもいろいろ言ってるし 人格が破綻していってもおかしくない
 呆然としている漏れはつい物音を立ててしまったよ
 というか葵ちゃんのおしりがおしりがおしりがおしりが
 ともかく身を乗り出すあまりつい漏れも社殿の中に足を踏み入れていたんだ
 ぎい とすこし傷んだ床板が音を立てた
「あっ、藤田先輩」
 琴音ちゃんはすこし驚いた風に言う
「見るなっていったのに…」
「琴音ちゃん、なんてこと…君たちはなんてことをしてしまったんだ!」
 思わず泣きそうになってしまう漏れ そんな漏れを琴音ちゃんは不思議そうに見ている
「何を言っているんですか、藤田先輩?」
 琴音ちゃんの代わりに答えたのは葵ちゃんだった
「いつもどうりトレーニングの後のケアをしているだけですよ。どうしたんですか、慌てて」
 葵ちゃんの声は平静そのものといった風だ 
「ねえ、琴音ちゃん」
「う、うん…そうだよね」
 対する琴音ちゃんは歯切れが悪い 
「トレーニング後のケアって…こんな麻薬みたいなものを注射するのがかよ!」
 漏れは叫んだ 葵ちゃんたちが心配だったからマジになった そしてこれからどうすべきなのか 警察に行くべきなのか それと病院に いろいろと考えた
「麻薬…?」

 葵ちゃんが不自由な姿勢で上半身を捻って琴音ちゃんのほうを見る なんだか葵ちゃんはぼんやりとしていていっそう漏れの不安を煽った
 琴音ちゃんは注射針を抜いてガーゼをあてると葵ちゃんのおしりをゆっくりと円を描くように揉み始めた
 そして葵ちゃんと目を合わせると にっこり笑って首を横に振った
「藤田先輩、なにか勘違いしているんじゃありませんか?」
 琴音ちゃんはおずおずと話し始めた
「勘違いって…注射とかしてるじゃないか!」
「ええ、注射していますけど何か?」
「何かって(;´Д`)それって中身は」
 琴音ちゃんはさらりと言ってのける
サプリメントです」
サプリメントって… (;´Д`) 」
「ええ、ですからサプリメントですよ。葵ちゃんのトレーニングの効果を高めるための」
「でも注射なんて (;´Д`)」
「経口摂取より、筋肉注射のほうが効果の出やすい、というか効果が出ないものもあるんです」
「そうなの…?」
 漏れは驚いた 漏れが考えようとする間に 琴音ちゃんが畳み掛けてくる
「中身はなんと言うことの無い栄養剤とかその他諸々ですよ。大体麻薬とかだったら筋肉注射なんて面倒で痛いことなんてするわけ無いじゃないですか」
 琴音ちゃんは執拗に葵ちゃんのおしりをもんでいる 葵ちゃんはおとなしくされるがままになっていた
 どうにも釈然としないが 漏れにはそうした知識は無い 勿論琴音ちゃんは葵ちゃんのために一生懸命勉強したはずなので詳しい
 漏れは疑問を感じながら その場は引き下がったよ
「ああ、先輩、奥のダンボールを取ってくれませんか?私今、葵ちゃんから手を放せなくて」
 社の薄暗い奥を覗き込むと奥に小さなダンボールが置いてあったよ
 漏れは素直に従って靴を脱ぐと社殿に上がりこんだ そして奥のダンボールを取って琴音ちゃんに手渡そうとしたそのとき、ダンボールの中身が目に入った
「……(;´Д`) ナンダコレワ」
 中身は大量の使用済み注射器とアンプルの山だった
「医療廃棄物ですからね。一般ごみとして出せないじゃないですか」
 琴音ちゃんは無造作に注射器とアンプルをダンボールの中に放り込んだよ ちゃりん、とガラスやプラスチックのあたる音が社殿の中で反響した

 いくら栄養剤といっても こんな大量の注射をしているなんてと思うとちょっと怖くなったよ
 でも琴音ちゃんはちっともそんなこと思わないみたいだ
「そうだ、藤田先輩」
 琴音ちゃんは何かを思いついたように突然嬉々として漏れに告げたよ
「先輩も注射してみたらどうですか?」
「エエエ(;´Д`) 」
 そんな、俺が注射なんて 注射なんて
「どう、葵ちゃん?藤田先輩に注射してもらおうか」 
 琴音ちゃんが問い掛けたが返事が無い
「葵ちゃん?…ああ、眠ったみたいですね」
 琴音ちゃんが 少し不自然な形に捩れていた葵ちゃんの腕を整えた うつ伏せで眠る葵ちゃん 恐ろしいことにおしりが丸出しだ
「よっぽど疲れてたんですね」
 葵ちゃんの寝顔は安らかで まるで死んでいるようだった 
 さっきまであんなに激しく気持ちを高ぶらせていたのに すっかり静かに寝息を立てている
 漏れは今思うに 苦しいトレーニングや試合への恐怖から葵ちゃんが逃れることのできる唯一の方法が眠りだったんじゃないかと思うんだ
「でも漏れ、注射なんてしたこと無いよ」
「大丈夫、簡単ですよ。教えてあげます」
 漏れは矢張り躊躇があった 先ず注射なんてことすること自体に恐怖があったし それに
「その、葵ちゃんはいいのかな」
「大丈夫でしょう」
「でも葵ちゃんのおしりが」
 何しろおしり丸出しの葵ちゃんに寝ている隙に注射するのだ
「藤田先輩、葵ちゃんのこと好きなんでしょう?」
「何言うの琴音ちゃん、いきなり(;´Д`)」
「好きなんでしょう?」
 ぎらぎらした琴音ちゃんの眼に漏れは何も言い返せない

「葵ちゃんだってきっと藤田先輩のこと好きですよ…おしりくらい見られたって平気です」
「琴音ちゃん…」
「さあ、葵ちゃんを強くするためです」
 漏れはその言葉に弱い 加えて琴音ちゃんの言うことにはどうにも逆らえなかった
「藤田先輩には是非葵ちゃんにこれをあげてほしかったんです」
 がさごそと持参した紙袋を漁る琴音ちゃん どこか楽しげだ そしてその楽しげな様子になぜか不吉なものを感じたんだ
「注射器は毎回新品を使うんですよ」 
 小さなクーラーボックスに入れた注射器とアンプルを琴音ちゃんは取り出した
「最初は注射器の針も太いのを使ってしまって…それがええとアレ…じゃなくて、サプリメントにあわなかったりしたんですよ」
「へ、へえ、そうなんだ」
 注射器を漏れに手渡した琴音ちゃんはアンプルのふたを取った それも漏れに手渡す
「さあ、液剤を吸い上げて」 
 なれない手つきで漏れは注射の準備を始めたよ アンプルのラベルはなにか英語が並んでいてよくわからない どうも輸入品のようだ
「…こうかな」
「はい。そうしたら爪で注射器を叩いて、泡を上のほうへやってください」

 とんとんと注射器を叩くと 注射器の液体の中の気泡が上に集まってゆく ポンプを押してその空気を抜くよう琴音ちゃんに命ぜられ 言うとおりにしたよ
「琴音ちゃん、ちょっとでも空気が入るとやばいんだよね、死んじゃうんだっけ(;´Д`)」
「大丈夫ですよ。よっぽど大きな気泡でも入らない限り、空気塞栓は起こりませんから」
 言いながら琴音ちゃんは葵ちゃんの上からどいた
「さあ!」
 有無を言わせぬ琴音ちゃんの声 漏れは恐ろしく緊張して琴音ちゃんと入れ替わって 葵ちゃんの足元にまたがったよ
 葵ちゃんは全く無防備で漏れにおしりをさらしていた
 みんなきっと漏れがそういうと欲情したんだろうとかおかずか?おかずかよおい?とか言うだろう
 でも…そのときの葵ちゃんのおしりを見て 欲情できる人間なんてそうそういないんじゃないだろうか
「…葵ちゃん(;´Д`)」
 漏れは思わず呟いた 葵ちゃんのおしりは漏れにとって憧れというか とても見たくて見てみたくて仕方の無いものだった しかしいま漏れの眼下に置かれている葵ちゃんのおしりは
「どうですか、先輩?」
 琴音ちゃんが話し掛けてくる やめてくれ 今混乱しているんだ
「ねーえ、先輩。どうですか」
 琴音ちゃんは…明らかに愉悦に浸っていた 間違いなく 漏れの反応を楽しんでいる
「その…凄い」
「ねえ、かわいいおしりでしょう?」
 琴音ちゃんは漏れの動揺、畏れを愉しんでいた 間違いない
「かわいい…?」
 漏れがそんな感想を持っていないことは琴音ちゃんもわかっていたはずだ
 
 漏れにあったのは驚きだ
 何に驚いたかというとまずその大きさだ
 勿論女性的な意味での大きさではない 安産型とかそういう 牧歌的な表現でなされるものではない
 圧倒的な筋量だ 特に中央部の張り出しが凄い 
 そしてさらに凄いのは 縦横に走っている筋繊維の深いスジだ 
 葵ちゃんのおしりは理科室の人体標本のようにいくつものセパレーションに分かれ その塊がまたいくつもの柱状のぼこぼことした肉のすじに分かれていた
 特に凄いのはおしりの割れ目付近のそれで 発達し隆起した尻の山に引っ張られて境目が低く小さく見えたほどだ
 
 これは尻ではない 葵ちゃんの格闘家としての資質を支えるパーツに過ぎない 少なくとも性欲の対象となるものではない
 それまでも葵ちゃんの足や腕がどんどんと引き締まってゆく様を見て驚愕していたが 尻という女性らしい部位がこうも変貌しているなんて思いもよらず 漏れは 漏れは漏れは
「うふふふ、あはははは!」
 琴音ちゃんが笑う
「琴音ちゃん…」
「ホラ、藤田先輩が大好きな葵ちゃんのかわいいおしりですよ。触ったって良いですよ、あはは」
 漏れには琴音ちゃんがなんでそんなに嬉しそうなのかわからなかったよ(;´Д`)
「触るなんて、そんな」
 くすくすとわらう琴音ちゃんは 葵ちゃんとはまた違った怖さがあった 漏れは全く歯向かうことができないんだ
「そうですね。じゃあとりあえず注射をしてあげてください」
 そういうと琴音ちゃんは漏れに注射する場所を指示し始めた 正確には 注射する場所を見つける方法というか
 丹念におしえる琴音ちゃんはやはり大喜びで そして漏れはその後も何度か葵ちゃんに注射を施すことになる 今から思うと 琴音ちゃんは漏れにあの後も注射をさせるつもりで教えてたんだな(;´Д`)

 それからほどなくして葵ちゃんは目を覚ました 随分疲れた様子でとても不健康に感じられたのは 漏れが注射なんかをしてしまったからだろうか 目の下に隈ができていて酷い有様なんだ(;´Д`)
 勿論注射してすぐにブルマとパンシは元どうり履かせておいたのだけれど 漏れが葵ちゃんに注射をしたことを琴音ちゃんが教えると 葵ちゃんは酷く恥ずかしがったよ 
 やっぱり悪いことをしてしまったようだけれど 別にお仕置きされることも無く ただ見ないように言っておいたのにとそれだけは叱られたよ
 要するに肌を露出するから外では注射ができない それで仕方なく神社の中でしていたんだそうだ
 すっかり遅くなってしまった 勿論照明などないので日が暮れたらエクストリーム同好会は終わりだ 漏れたちは帰り支度を始めたよ
 そのとき アンプルの容器を漏れはポケットにしまいこんだ なんとなく後で調べてみようと思ったんだ
 琴音ちゃんを家まで送ると漏れは葵ちゃんと二人になった 漏れは念のため それとなく葵ちゃんにその注射が麻薬の類ではないのか聞いて見た
「あのさ葵ちゃん、あの注射って、その…違法なものじゃないの?」
「違法って…!そんなわけないじゃないですか!藤田先輩ヘンなこと言いますねっ!」
 葵ちゃんは漏れの言葉を一蹴した
「大丈夫ですよ、琴音ちゃんはちゃんと国産のものか、税関を通したものを取り寄せているみたいですし」
 ニコニコと笑う葵ちゃんは疲れていても愛らしい
 そう 表情はとても愛らしいんだけれど その体はまさに おぞましいまでの無駄を削ぎ落とした筋肉の塊だった
 そのギャップに漏れはくらくらと眩暈がするような気持ちになったよ
「それに筋力の向上が凄いんですよ!あと回復力も凄くて、どんなに辛く激しいトレーニングをしても翌日には回復していてまたトレーニングができるんです!例えば…」
 そう言って琴音ちゃんのサプリメントの効能について語る葵ちゃんは実に満足げだった 何処となく琴音ちゃんに似た不気味さを感じて漏れは「お、おう…」とか、そんなあいまいな受け答えしかできなかったよ(;´Д)