晴子さんからの封書(2)

※(一部ひぐらしのなく頃に綿流し編のネタバレが含まれています)














漏れとレナは祭具殿に忍び込んだことを謝るため園崎家を訪れていた
「これは、……あははははは、とんだ名探偵が身近にいたもんだよ」
梨花と沙都子殺しのことをレナに見破られ頭をかきむしる魅音
村長さんとかも魅音が隠してしまったらしい
雛見沢村を再びあがめられるに足る神聖な存在に。それが我ら鬼が淵村の末裔の悲願であり…園崎家の「鬼」を継ぐものの宿命なのです」
「”鬼”を継ぐもの………?」
「我が園崎本家は代々、頭首の名に「膣」の一字をくわえる習慣があるのです。私の名前を手のひらにでも…」
「待ってくれ魅音。何の一字だって?」
「だから、「膣」です」
「ちつって…月へんの膣か」
なにをバカなことをと言わんばかりの魅音。何回手のひらに魅音と書いてみても……膣なんて漢字は入っていない!
レナは涼しげな顔で正座して魅音と向き合っている
漏れはレナに小声で話しかけた
「レナ、どういうことだよ」
「どういうことって…なにかな?」
魅音の名前に、”膣”なんて漢字、入ってるわけねえだろ」
「圭一君の言っていることがよくわからないな。みぃちゃんの名前のなかに膣っていう漢字があるじゃない」
「ねぇよそんなもんどこ探したって!だいたい偏も旁もある漢字さらに取り込んで、それ何の表意文字だよ!おいレナ!」
「あはははははははははははははははははははははははははははははは!」
急にレナは笑い出した。表情を見ると、まるで何かに取り憑かれたようだ
魅音も一緒に笑い出す
「あはははははははははははははははははははっ!あーはっはっ!あはははははははははははははははははははははははははははははははははははは…」
二人とも何かに取り憑かれたように笑い続ける。おかしい、おかしい…漏れが何度手のひらに魅音という字を書いてみても、膣なんて漢字は入っていない
俺の気が狂ってしまったのか、それともレナと魅音がおかしいのか…どうか私に代わってこの謎を解いてください






「こ…怖っ!怖い!晴子さん、も、もう泣きそうでしょう!漏れも話してて凄く怖かった!」
晴子さんはあたりめを口に入れてしがんだままぽかんと口をあけてこっちを見ている。やがてはっと何かに気がついたように口を開いた
「あ、あのな村田。いまのはその…なんや?怖い話やったんか?」
「もう、すっとぼけちゃって!だって、どう考えても魅音の名前の中に”膣”なんて漢字は含まれてないのに二人はあるって言うんですよ。主人公が自分の正気を疑うプロセスが恐ろしいじゃないですか、あと、あとですね。これはここだけの話なんですが魅音は本当は詩音なんです!こ、怖い!」
晴子さんはため息をついた
「あのな。とりあえずレナとかみおんとかけいいちとかって誰やねん」
ああ!しまった!晴子さんはひぐらしみてなかったのか!
「まあそれはええわ、とりあえず置いとこう。で?そのみおんって子の名前になんや…?”膣”って漢字が含まれてない?」
「ええええ!そうです!」
必死で晴子さんに詰め寄る漏れ
「怖いでしょ?ないはずなのにその漢字があるって言い張るんです。どんどん自分の正気に自信が持てなくなってきて…」
「あのな短小」
晴子さんの声が低い
「いいたいこと仰山あるけど、とりあえずなんのことかわけわからんわ。いきなりレナとか圭一とか、誰やねんそれ。あと、話も唐突過ぎ。いきなり鬼が淵村とか、なんの話や。ちょっとこっち向き、この真性包茎
「やっぱり晴子さんがひぐらしみてないのが敗因」
「違うわ早漏!」
スパーン、と晴子さんはハリセンをどこかから取り出して漏れの頭を打った
「とにかくぜんぜんこわないから、というかそれ以前の問題やから。賭けはウチの勝ちやな。今度からアンタのこと村田粗チンの介安弘って呼ばせてもらうわ。なんか江戸時代の人みたいでかっこええな勃起不全」
「畜生…」
「・・・あん?」
漏れは猛烈に腹が立ってきた
「畜生畜生畜生!原作信者どもめ!アニメでどんなシーンがあって面白かったって感想言っても「いやあれは原作では」とか「原作には及ばない」とかふざけたことほざきやがって!そんなに原作が良いのか。そんなに原作が大事か、じゃあ原作だけやってろ、アニメ版のDVDなんか買うんじゃねえよ!どうせ原作厨なんてアニオタでもあるんだろうからアニメあったら義務で見てるだけなんだろうが!くそう原作厨め、原作厨め!覚悟しろ!ぶっ殺してやる!原作厨め呪われろ!」

 
あ。

晴子さんがきょとんとした顔でこっちを見ている
と、こわばった顔を緩めておずおずと話し出した
「い、今のは…ちょっとこわかったでぇ…」
明らかに動揺している気配
こんな晴子さんは珍しい
っていうか。あれ?
「晴子さん」
「な…なんや」
あとづさる晴子さん
「今怖いって言いましたね」
「あ」
思い至ったのか目を見開く晴子さん
「いやでもその怖いは、ちょっとちが」
「晴子さん」
「う」
「いま怖いって言いましたよね?」
晴子さんが明らかに動揺している あと僅かにビビってもいる気配
やった、神尾晴子さんを怖がらせることができたぞ!(なにか違うような気もするが)
「わかった、しゃあない、わかったわ」
そういうと漏れに背中を向ける晴子さん
「あ、あれ、どうしたんですか」
「どうしたって、こうしたほうがしやすいやろ」
「しやすいってなにがですか」
「あほ!アンタが言い出したんやろうが。ウチを怖がらせたらウチの胸を背後から揉むって」
わわわ、忘れてた…そんな約束だった
「ほら、はよ、し。好きなだけ揉んでったらええ。ほら」
漏れは思わず晴子さんの背後ににじりよった
酔った勢いで交わした約束とはいえ約束は約束だ
晴子さんの動揺している今のうちなら揉んで揉んで揉みしだいても
晴子さんの長い髪は二つに分かれてたたみに流れていた
いつもの肩ひもの服なので肩の辺りからうなじにかけて、白いきめの細かな肌があらわになっている
背後から見ると晴子さんの胸の谷間まで見えた
ごくり、と唾液を飲み込み、その音を晴子さんに聞かれたんじゃないかと思って動揺した
そばによると、アルコールのにおいと化粧品やらシャンプーやらのにおいやらが混じった複雑なにおいがした。けして不快な匂いじゃない、晴子さんの匂いだ
「あ、あ、あにょ、あんにょですねはりゅこさん」
「は、はよう、はよしっ!はやいとこやって!今日はもう家に帰り!」
なんでこんな状況になったのかよくわからない。晴子さんのオパイが目の前にあってそれを晴子さん自身も揉んで良いといっている。漏れは憧れている晴子さんのオパイを今まさに揉むことが出来るのだ

うわあ!漏れ女の人のオパイなんて揉むどころか触ったこともねえよ!うわああああ!まして晴子さんの!うわああああ!
それもだよ、それもなんか漏れがキチガイと思われて、アレなひとだからとりあえず言うこときいとこう見たいなのりで。それって強姦?いやセクハラ?セクハラくらいはいくな、とにかくそんな雰囲気でいつもと違う晴子さんが漏れにオパ、オパ、オパイをもませてくれるってうわああああああああ!

「うわあああん」
進退窮まった漏れは晴子さんの背後で泣き出してしまった
「ちがうんですよ、ちがうんです晴子さん漏れそんなつもりじゃ」
もうダメだ、完全に軽蔑された。いくら酔ってるとはいえ胸を揉ませろだのなんだの、それにアニオタなのが露呈したり挙句こうやってうずくまって泣いているなんて…

晴子さんに嫌われてしまった

絶望の中、次の瞬間には頭を上げて家に帰ろうとなんどもなんども思い返す漏れの頭にぽん、となにかが置かれる感触
「あははは。村田ちょっと飲みすぎたなあ。ほれ」
手にタオルを持ち、いつもの表情に戻った晴子さんが漏れの頭を撫でてくれていた
えぐえぐとしゃくりあげる情けない漏れ
「どないしたんや、泣きべそかいたりして。ほら、泣いたらあかんよ」
手渡されたタオルで顔を拭った
泣き出した漏れに晴子さんは妙に優しく、漏れが泣き止むまでずっと頭を撫でられ続けた
そうしている晴子さんの表情はとても穏やかで満足げだったので、こうして子供扱いされるのも悪くないなと思ったよ
 
 
 
 
 
 

でも帰ってから、晴子さんの乳をあのまま背後からもみしだきまくるという妄想をおかずに3回抜いてしまった
 
漏れはもう駄目だ