ターンA

「ディアナ様!もっと!もっと強くお願いします!」
「ハリー大尉って変態なんですね。可笑しいですね」
「どうかハリーと…それとももっと侮蔑的な愛称でも…」
キエル・ハイムはハリーの股間に押しやった足に力を込めた。底の高いヒールは、ハリー・オードの要望によってキエルが履いたものだ。その足先がハリーの竿の根元に刺さるように食い込む。
「私を月の女王に仕立て上げて、やりたいことといえばこんなことですか。親衛隊の名が泣きますよ、ハリー」
「もっ・・・申し訳ありません、ディアナ様!」
ディアナ、という名を聞いたとたん、ほんの少しキエルの表情に影が差した。やはりこの男はあの月の女王のことを心底愛しているのだ。自分は身代わりに過ぎない。
「今度あなたのモビルスーツに”自分は女性に股間を踏まれて喜ぶような変態です、ってペイントしようかしら。この…変態メガネ!」
「ああっ!ディアナ様!ディアナ様!」
キエルをディアナと呼ぶことが、よりキエルハイムを激昂させるのだが、そのことをハリー・オードは意識しているのだろうか。キエルは惨めな思いに囚われながらよりハリーの股間を強く強く踏みつけるのだった。
月面都市の饗宴は続く…



そのころ当のディアナは地球のほったて小屋でクロンボの作ったスープをすすりながら「よしなに」と呟いて眠りに落ちるところだった。